貧乏エンジニア漫遊記

大手造船会社エンジニアが世界を股に掛けた、面白奮闘記です!

23.タイ編(3)

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タイ編(3)

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タイの駐在員の報告には、よく、「物がしょっちゅう無くなる」などと書いてある。例えば、メイドが部屋に出入りする度に、小物が一つづつ無くなると言う。しかし、これは雇い主にも問題がある。タイばかりではない。メイドが主人の物をくすねるのは主人がなめられているからだ。主人が警察や地域の有力者に顔が利くと分ればメイドは悪いことはしない。またメイドの紹介者がキッチリした人間ならば問題ない。町の安っぽいメイド派遣業者を使うからいけないのだ。気が利いた工事責任者なら、工事開始前に、まず管轄の警察署に挨拶に行く。これは、自分の工事現場で予想される不祥事に備えてばかりではない。メイドや運転手の信頼できる派遣業者を紹介してもらう事もできる。こういう場合、メイドの賃金は多少高くなるかも知れないが、それはコストというものだ。

それにしてもバンコクでは犯罪が多い。まず空港に注意。こんな話がある。或る旅行の初心者がバンコク空港のゲートを出ようとした。そこには多くの出迎者が立っている。社旗を立てて待っている者、目印の赤い鞄を持っている者、名前を書いたA4版のプラカードを持っている者等々。その初心者が見回すと一番手前のオヤジが自分の名前のプラカードを持っている。近寄っていくと笑顔で迎える。初心者の名前をAA、初心者の会社の名前をBB株式会社としよう。初心者は聞く。

「私を待っていたのですか?」
「ミスターAA? ◎×▼△>・・」 相手は微笑んで初心者の鞄を預かる。
「BB株式会社から出迎えですか」 初心者が確認する。
「イエス。BB・・○▽-X。カップ、カップ」 相手は大仰にうなずく。

相手の言うことは分らないが、鞄を持たれているので、とりあえずついて行った。ところが大失敗。相手は立派な詐欺師だった。まず乗客名簿を見て、その名の一つをプラカードに書き込む。それを他の出迎者に隠しながら、ゲートを出てくる乗客に見せる。だからゲートに一番近い所に居たわけだ。その初心者は車に乗せられ、バンコク中を引き回され、たかられ、持ち金を全てはたいて開放してもらった。

また、パタヤで派手に遊んでいた日本人が、ピストルならぬ注射器で脅されて金をとられたという話もある。

雀のリサイクルという話もある。哀れに見えるオヤジが寺の門前で雀を売っている。善良な人間が、それを買って逃がしてやる。そうすれば功徳になると言う。実際に雀を買って逃がすとどうなるか。雀は元の巣に戻る。雀取りがまた捕らえて寺の門前で売る。ここで1サイクル巡る。雀も、雀に功徳を施す者もたまったものではない。

バンコク付近では時々電話が不通になる。これは誰かが、夜中に電話線を失敬するかららしい。

極めつけは、華系潮州人のがめつさだろう。潮州人以外の華人が忠告してくれる。

「潮州人とは現金取引以外するな!」

彼等は品物を受け取ってから値引き交渉を始めるらしい。当初の契約金額などは参考値にしか思っていない。先に品物を渡すと、再度の価格交渉が可能だと考えるのだ。だからといって、これを一概に非難できない。彼等は、置かれていた環境の中で、「目の前の現金以外絶対に信用するな」と代々教え込まれて育っているのだ。彼等のモラルをあらかじめ知っていれば腹も立たない。彼等の気風を助長しているのがタイの慣行だ。タイの会社には破産が無い。日本では不渡手形を出した時点で破産と見做す。しかしタイには手形制度が無い。したがって、誰からも相手にされなくなった時点が破産と言えば破産なのだ。

観光ツアーなら安心か? 否。ガイドが連れて行く店は全て、特にアルコール類が無料でサービスされる所では、現地の常識からかけ離れた途方も無い値段で土産品を売りつけているのだ。

バンコクは世界で一番楽しい所だけに、一番危険なのだ。

公開日:
最終更新日:2016/03/22


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